腰部脊柱管狭窄症|郡山駅から車で北に8分の整形外科・内科・形成外科・リハビリテーション科

疾患について

Knowledge

整形外科を受診される患者さんに比較的多くみられる病気や病態を掲載しました。ほかにも数多くの疾患や病態がございますので参考程度にご覧ください。
当院では皆さま個々の症状を診察したうえで必要に応じて検査を行い治療します。お身体に変調がみられましたらご相談ください

お身体の気になる部位を選んでください。

腰(こし)に多くみられる疾患

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は、脊柱管と呼ばれる神経の通り道が狭くなり、神経(馬尾神経、神経根)が圧迫されることにより、下肢に症状を引き起こす疾患です。脊柱管が正常より狭く成長することによっておこる先天性(発育性)脊柱管狭窄と、加齢による後天性脊柱管狭窄に分けられます。
加齢による腰部脊柱管狭窄症は、年齢による背骨の変形や、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなり、脊柱管が狭くなることで、発症します。

症状

症状は圧迫され、障害を受ける神経によって異なります。
神経根が圧迫される神経根型の場合、片足もしくは両足の下肢痛(いわゆる坐骨神経痛)が起こります。
馬尾神経が圧迫される馬尾型の場合、両足や殿部、肛門周囲のしびれや灼熱感、ほてりといった異常感覚が起こります。また、残尿感などの膀胱直腸障害を伴うこともあります。
神経根、馬尾神経ともに圧迫される混合型の場合、神経根型、馬尾型両方の症状が出現します。
神経根型、馬尾型、混合型いずれの型でも、特徴的な症状として、間欠跛行(かんけつはこう)という症状があります。下肢の痛みやしびれといった症状が、歩行によって出現し悪化する症状です。歩き始めは症状はありませんが、歩いていると徐々に下肢の痛みやしびれが出現し、歩行が困難になります。立ち止まって休むと、下肢の症状は軽減し、また歩行が可能となります。

治療

腰部脊柱管狭窄の患者さんの約4割は保存療法で改善するという報告があります。特に、痛みが主症状である神経根型の場合は、保存療法で改善しやすいとされています。一方、馬尾型の場合には、保存療法が無効とされています。
保存療法は、鎮痛剤(一般的な消炎鎮痛剤、鎮痛補助薬など)や、プロスタグランディンE1製剤という、神経の血流を改善させるお薬を使用します。痛みやしびれが強い場合、ブロック注射(神経根ブロック、硬膜外ブロックなど)を行うこともあります。
保存療法でも改善しない場合や、日常生活に支障を及ぼす間欠跛行がある場合、足の麻痺がある場合、馬尾型や混合型で、膀胱直腸障害がある場合には手術療法が検討されます。
手術療法は、除圧術(椎弓切除術など)が行われます。しかし、背ぼねの不安定性(背骨がグラグラな状態)がある場合には、金属製のスクリュー(インプラント)を用いた固定術を行うこともあります。入院期間は一般的に10日から2週間程度です。